災害時には、被災された方・ご家族と、支援にあたる方とでは、必要とする情報が異なります。本学会では、必要な方が必要な情報にアクセスしやすいよう、災害時に活用できる情報を、「被災された方・ご家族の方へ」「支援にあたる方へ」「平時から災害に備えるために」の3つに分けてご紹介します。
1.被災された方・ご家族の方へ
こころの不調やストレスが気になるとき
災害の後には、不安、眠れない、気持ちが落ち着かないなど、さまざまなこころやからだの反応が生じることがあります。ご自身やご家族のこころの状態が気になるときにご活用ください。
- ストレス・災害時こころの情報支援センター(国立精神・神経医療研究センター)
災害時のこころのケアについて、一般の方向けの情報が掲載されています。
こころの耳(厚生労働省)
災害の影響を受けた方や支援者を対象とした相談窓口や、こころの健康に関する情報を提供しています。
暑さや体調が心配なとき
- 熱中症対策(環境省)
避難所や屋外での支援活動では、熱中症予防が極めて重要です。
食事や衛生環境が心配なとき
- 避難所での食中毒予防(東京都福祉保健局)
衛生環境が十分でない状況では、食中毒予防も重要な健康管理の一つです。
トイレ環境について知りたいとき
- 災害時のトイレ対策(日本トイレ協会)
トイレ環境は感染症予防だけでなく、健康維持や尊厳の保持にも直結します。
生活支援や避難情報を知りたいとき
- 熊本県・熊本市の災害関連情報
生活支援や避難情報など、自治体から最新情報をご確認いただけます。
熊本県:https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/40/1700.html
熊本市:https://www.city.kumamoto.jp/kiji0032079/index.html
2.支援にあたる方へ
被災された方への支援では、こころのケアだけでなく、生活環境や身体的健康への配慮も重要です。また、被災しながら支援を続ける看護職を含め、支援する側のこころとからだを守ることも欠かせません。
被災者へのこころのケアに活用する
- 日本精神保健看護学会『災害時こころのケアハンドブック』
本学会が作成したハンドブックです。災害時のこころのケアについて、精神保健看護の視点から実践的にまとめています。 - ストレス・災害時こころの情報支援センター(国立精神・神経医療研究センター)
災害時の精神保健・心理社会的支援(MHPSS)、心理的応急処置(PFA)、支援者支援、子どものこころのケアなど、災害メンタルヘルスに関する包括的な情報が掲載されています。 - 日本トラウマティック・ストレス学会
災害後のトラウマや心理的ストレスへの対応など、専門的な情報が掲載されています。
支援する自分自身のこころを守る
- 日本精神保健看護学会 高度実践看護師活動推進委員会
「こころのSOSに気づき、対処しよう」〔看護職員用〕
被災しながら看護の現場に立ち続けている方や、思うように力になれず無力感を抱えている方も含め、災害など大きなストレスを経験した際に生じやすい心身の反応と、その対処方法をまとめた資料です。こころのSOSに気づくポイント、相談の目安、日常で取り入れられるセルフケアや、不安・緊張が強いときに手軽にできる対処方法を紹介しています。
これから看護職を目指す方へ
- 日本精神保健看護学会 高度実践看護師活動推進委員会
「こころのSOSに気づき、対処しよう」〔看護学生用〕
災害による直接的な被害だけでなく、被害がなくても無力感や罪悪感などの苦痛が生じることがあります。災害時に起こりうる心身の反応、こころのSOSへの対処、相談の目安、セルフケアの方法を、これから看護職を目指す学生に向けてまとめています。
避難所で支援する前・支援しているとき
- 避難所で支援する看護職・介護職のための基本動画「SONAE」
任意団体「災害支援を考えるケアに関する研究者有志の会(CAID)」が、2024年能登半島地震を契機に作成した、避難所等で活動する看護職・介護職向けの学習教材です。これから避難所へ向かう方や、すでに支援活動に従事している方を対象に、避難所運営の基本的な考え方、支援者としての心構え、健康管理など、災害支援に必要な基礎知識を10本の動画にまとめています。
動画:https://www.youtube.com/play…
資料:https://drive.google.com/file/d/1yKdENt…
被災した看護職を支える
- 九州・沖縄高度実践看護師活動促進協議会 災害看護担当代議員会
未曽有の災害現場では、看護職者は「十分なケアができない」という罪悪感や葛藤(道徳的傷つき)に直面しがちです。「今の状況でできる最善のケア」の実践と、仲間や外部からの支援に頼ることの大切さを伝える資料等が公開されています。
3.平時から災害に備えるために
「サイコロジカル・ゼロ・エイド」
- サイコロジカル・ゼロ・エイド
日本精神保健看護学会災害対策委員会では、2021年度より「災害への備え」の一環として、平時からの“顔の見えるネットワークづくり”を目的とした活動を進めてきました。
その取り組みの成果として開発されたのが「サイコロジカル・ゼロ・エイド」です。
本プログラムは、皆さまが身近な場で災害に関する研修会を開催する際に活用いただけるプログラムです。単に知識を提供することにとどまらず、災害への備えについて心構えを持ち、グループワークを通じて交流を深め、ネットワークを広げていくことを目的としています。
災害が起こってから初めてつながるのではなく、平時から顔の見える関係をつくっておくことも、大切な災害への備えです。
災害時の支援と、平時からの備えをつなぐ
災害によるこころへの影響は、発災直後だけに生じるものではありません。避難生活、生活の再建、そして復旧・復興へと時間が経過するなかで、必要とされる支援も変化していきます。
日本精神保健看護学会では、被災された方・ご家族への情報提供、支援にあたる方への専門的な情報提供、そして平時からの備えをつなぎながら、精神保健看護の専門学会としてできることを考え、取り組んでまいります。


