理事長就任のご挨拶

理事長 寺岡征太郎
日頃より、日本精神保健看護学会の活動にご理解とご支援を賜りまして、心より感謝申し上げます。このたび、第5期理事長安保寛明先生よりバトンを引き継ぎ、第6期理事長を拝命いたしました。本学会は1400名を超える会員が在籍しており、精神保健看護に関する学術団体としては最大規模です。本学会が発展してきた背景には、諸先輩方が強力なリーダーシップを発揮し、ここまで導いてくださったことが挙げられます。諸先輩方がご教示くださったことを存分に活用させていただきながら、この役割を全うしたいと存じます。一方で、このような大きな学術団体の運営に関わることの責任の重さをひしひしと感じています。会員の皆様にご支援をいただきながら、理事・監事の先生方とともに学会運営に携わってまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、本学会は精神保健看護学の発展を目指すことはもとより、精神保健看護の発展を通して人々の精神の健康と福祉に貢献することを目的としています。変化する社会情勢の中、メンタルヘルスをより身近なものとして考える機会が増えていますが、メンタルヘルスケアを必要とする人に、必要な支援が十分に行き届かない状況があることも浮き彫りになってきています。この状況に対して、精神保健看護を専門とする私たちにできることは何か、取り組むべき課題は何か、といったことをしっかり議論し、実際に行動に移していけるように体制を整えることが本学会の果たすべき役割の一つです。

「人々の精神の健康と福祉に貢献する」といった本学会の目的を踏まえると、他団体との連携・協働が欠かせません。第5期理事会から引き継いだ精神科医療現場における虐待防止に向けた取り組みもその一つで、過日、一般社団法人日本精神科看護協会および公益社団法人日本看護協会と共同声明を公表しました。共同声明にもあるように、看護職ひとりひとりが、専門職としての責務を再確認し、精神障がいに苦しむ人々に対し安全かつ安心な看護を提供できるよう、本学会としてもこの課題に全力で向き合っていきたいと考えています。他にも、私たちの周囲にはメンタルヘルスに関連する多様な課題が山積しています。会員の皆様としっかりコミュニケーションをとり、精神保健看護の新たな価値の創出に取り組んで参りたいと存じます。

私個人のこととなりますが、経験不足、力不足は否めません。会員の皆様、本学会に関わってくださる皆様からご指導、ご支援を賜りたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2023年5月
一般社団法人日本精神保健看護学会
理事長 寺岡征太郎