研究活動推進委員会主催第2回研究活動推進セミナー報告

研究活動推進委員会 委員長
遠藤淑美(鳥取看護大学 看護学部)

精神看護専門看護師であり東京女子医科大学病院看護副部長の山内典子先生を講師としてお迎えし,2024年11月9日(土)10時30分から「看護実践と研究の良循環を創造する-看護実践家が研究を続けることの価値」」をテーマに,第2回研究活動推進セミナーを開催致しました.

患者さんの声に耳を傾け,患者さん側に立つ中から研究課題を見出し取り組んでこられた過程を丁寧にお話くださることを通して,実践での心震える経験がよい研究を生み出し,それがよい実践へと還元されていく,そのような実践と研究の良循環を示して下さったセミナーでした.

事前の申し込みは81名で,当日の参加者数は67名であり,ほとんどの方から満足したという回答をいただきました.
研究活動推進委員会は,今年度皆様から頂いたご意見を参考にし,新年度改めてセミナーの企画を検討して参ります.引き続き会員皆様からの忌憚のないご意見ご要望をいただけますと幸いです.どうぞよろしくお願い致します.

以下セミナーの感想を抜粋してお伝え致します.

  • 看護実践をされながら、研究から離れていないということに感銘を受けました。また看護師としての成長やキャリアについても素晴らしいと思うことばかりでした。実践とともにある研究を聴いている間、自身を振り返り、今後何ができるか考えています。研究の仲間がほしいと思いました。
  • 臨床でなかなか研究に取り組まないでいることに後ろめたさを感じていましたが、ご講演を聴いて、臨床だからこその研究の面白さを感じ、エネルギーをいただきました。確かに臨床の中で不思議に思うことは多くあり、勝手に解釈してしまっていたこともあったので、研究になり得るか考えたいと思います。
  • ご講義にあった「患者さんを看護する立場だからこそ」という言葉がとても印象に残りました。臨床にいるからこそ日々の葛藤を通して気付くことや患者さんの体験を捉えることができると感じています。看護実践を通して研究する意義を改めて意識し、行動に移していきたいと思います。
  • 山内さんがされた研究の内容は、普段臨床でアセスメントしている内容と一致していた。勝手に考える(解釈する)だけではなく、言語化し、形にすることも大事なのだと思いました。”
  • 「40年代」「50年代」などのようにお示しいただいたことで、臨床~研究のキャリアパスの流れが分かり、臨床経験と研究活動を長期的な視点をもって積み上げていくことの重要性を感じました。

そのほか今後取り上げてほしいテーマには以下のようなご意見がありました.貴重なご意見を今後に生かしてまいりたいと思います.

  • 研究を実際どのような流れで行っていったか、プロセスを見せてくれるもの。
  • 精神障害者や意識障害がある患者を対象とした研究の倫理的配慮などについて
  • 研究手法が色々と開発されています。研究手法の解説や違い等についてのセミナーを希望します。
  • 精神科病院における虐待等深刻な問題をテーマとした研究に学会として取り組み、多施設共同研究などへと発展させてほしい。組織外からのアプローチによってでないと変化を見いだせない課題であると思います。